「郷ヶ平古墳」(浜松市都田町)
Miyakoda, Hamamatsu, JAPAN
郷ヶ平古墳(ごうがひらこふん)、三方ヶ原台地の北端に位置し、後期古墳時代(5世紀末から6世紀にかけて)の円墳と前方後円墳が7基見つかっている。四号墳は市指定史跡として保存されているが他の6基は残っていない。調査によって多くの埴輪が発見された。 |
浜松市北部、新都田の「郷ヶ平古墳」をご紹介します。浜松市北部は古墳の宝庫、何百という古墳があるのですが、大部分は公式な調査がされておらず、開発により失われたものも少なくありません。その中で「郷ヶ平古墳」は浜松市の史跡に指定され、よく保存・管理されている古墳です。
「6号墳から発掘された埴輪は全国初のつぼ型人物埴輪だった」と2018年8月10日の中日新聞に報じられました。上半身がつぼ型の埴輪は全国初。通常の人物埴輪は胸の部分が平らですが、今回のものはツボのように丸くなっています。6号墳から九点発掘され、これまで3体の復元に成功しているそうです。焼き方は須恵器で灰色をしています。製作されたのは6世紀前半です。
<2018年8月10日 中日新聞朝刊の記事を引用>
「テクノロード」と市道「萩丘都田線」(通称:モクレン通り)の交差点「都田テクノ南」を左折し西に向かいます。(撮影 2017年10月)
「九重荘養護老人ホーム」の手前を右折して路地に入ります。奥に木がこんもり茂ったところがありますが、これが「郷ヶ平古墳」です。奥は九重荘の建物。
浜松市の資料では郷ヶ平古墳群として7基の古墳が描かれていますが、8号墳も書かれています。当初8基あると思われていたのですが、その後の詳細調査により7基であることがわかったのです。7基の内3号墳、4号墳、6号墳が前方後円墳で他は円墳です。4号墳を除き、他は「九重荘養護老人ホーム」の建物を建築するために取り壊されました。
木に覆われた古墳跡、さっそく見学しましょう。
手前に説明板が設置してあります。4号墳は郷ヶ平古墳群のなかで最大のものです。とはいえ奈良県にあるような巨大なものではありません。全長は26m、墳丘の高さは1.6mです。建造は7基の中でもっとも新しく6世紀中頃とのこと。
古墳は石室型が現れる前の、直埋型の古墳です。現在は埋め戻されていますが、3度にわたる発掘調査により多くの円筒埴輪が出土しました。
墳丘に登ってみました。ここは古墳だよ、といわれない限り単なる小高い丘ですが。
古墳を反対側から眺めました。木で覆われているため墳丘の形は見えませんが。
4号墳から出土した円筒埴輪などです。都田図書館に展示されていたときのものを撮影しました。
墳丘には中段に平坦なところがあって、そこにこれら円筒埴輪が並んでいたそうです。また古墳周囲には溝があり、そこからも大量の埴輪が出土したそうです。
3号墳と6号墳から出土した埴輪は浜松市が発行したパンフレットで見ることができます。馬、シカ、琴、はそうを捧げ持つ女性、など多彩な埴輪が出土しています。
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