都田町新木「平八稲荷の伝説」
平八稲荷(へいはちいなり)、都田町の国道362号線の道端にある小さな稲荷社。むかし、平八じいさんが村人を都田川の氾濫から救ったという。じいさんは狐の化身であり、それを祀ったものという。 |
都田町新木にある「平八稲荷」をご紹介します。
国道362号線の道路沿いに、お稲荷さん特有の赤い鳥居のトンネルと、小さな小さな社殿が建っています。
これが社殿です。本当に小さいですね。左右には少し新し目のお狐さん。
かつて都田川は川山から新木、横尾にかけて逆Sの字を描くように大きく蛇行していました。そのためか大雨のたびに水害を繰り返していたところです。(写真は旧社殿でしょうか。)
神社から北側を眺めます。都田川の流域には水田が広がっています。ゆるやかな斜面の下に少し見えている水路がかつて蛇行していた頃の都田川です。平八稲荷はそのほとりに立っています。(現在は水田の向こうに拡幅工事後の都田川が流れています。下のGoogle地図参照。濃い青線はかつての流路。)。
ここで「平八稲荷」の言い伝えをご紹介します。
その昔、馬渡橋ののたもとに高いエノキがあり白く長い髭を生やした平八というおじいさんが住んでいました。長雨が続いたある日、川の水位が上がってきたので、おじいさんは危険を感じ高いエノキに登って様子を見ていました。すると上流から濁流が流れてくるのが見えます。平八じいさんは大声で「あぶない! 逃げろ!」と叫び村人に知らせました。はじめ村人はけげんそうに見ていましたが、平八じいさんのあまりにも真剣な大声で、村人たちは山の上に逃げました。やがて濁流が村を押し流しましたが村人たちは無事だでした。我に返った村人たちは平八じいさんを探しましたが見つからず、代わりに濁流の中を白い狐がピョンピョンと稲穂をくわえて渡っていくのが見えたといいます。エノキの下に住んでいた古狐が平八じいさんに姿を変えて村人たちを助けた、ということで、村人たちは馬渡橋を渡った竹やぶの中に社を建て「平八稲荷」として祀っています。
|
Copyright (C) 2017 ZauCats, All Rights Reserved.