旧東海道「小夜の中山峠」前編
撮影 2021年2月21日
SAYO-NO-NAKAYAMA Kakegawa JAPAN - February 21, 2021
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小夜の中山峠（さよのなかやまとうげ）、東海道五十三次の日坂宿と金谷宿の間にある急峻な坂の続く街道の難所として、古くから、西行法師など歌に読まれた。。往時はうっそうとした樹林の道で山賊も横行した。遠州七不思議の一つ「夜泣き石」がある。現在は見晴らしの良いハイキングコースとして利用されている。 |
旧東海道の難所の一つ「小夜の中山」を歩きました。中山峠を西から目指す「日坂宿」をスタートします。
「日坂宿」の詳細はこちらをごらんください。
急坂が待ち受ける旧東海道の手前には国道1号線と高架のバイパスが立ちはだかりますが（旧東海道を歩く上で、現在の難所かな）、横断歩道も何もありません。注意しながら道路を渡ります。
難所の急坂が始まります。道は徐々に狭くなっていきます。まだまだ序の口。
坂を登り始めてすぐのところに歌川広重の描いた「日坂」が飾られています。
バイパスよりも高くなりました。右手（アンテナ塔のうしろ）に「茶の字」で知られる粟ヶ岳が見えます。
本格的な登りが始まります。道は細かくクネクネと曲がります。写真ではわかりませんが見た目以上に急です。一般車で登るのは困難、四駆でなんとか、という急坂です。さすが「難所」。
急坂の中ほどに説明板がありました。この坂、古くは「二の曲り」「二の坂」と呼ばれていました。
傾斜が少しゆるくなって民家が見えてきました。これで一安心。
なだらかになりました！ このあたりの地名は「沓掛」（くつかけ）。「二の坂」は「沓掛の坂」とも呼ばれていました。沓掛という地名は全国にあり、坂道にさしかかったところで草履を新しく履き替え、古い沓を枝に掛けて旅の安全を祈願する、という習慣が地名になったようです。
茶畑が現れました。台地の上に登りきったようです。ここからは快適なハイキングコースです。随所にモニュメントが現れますので、すばらしい景観とともにこれらをご紹介しますね。
「歌川広重の絵碑」です。ここに描かれている「二の坂」はすごい急坂ですが、誇張でも何でもありません。実際にこれくらい急坂なのです！
気持ち良い茶畑の道を進みます。
茶畑のむこうに終始、粟ヶ岳を眺めながら進みます。進むに従って「茶の字」が正面に見えてきます。
行けども行けども茶畑。お茶の出荷額はこれまでずっと静岡県が全国一だったのですが、2019年度は一位の座を鹿児島県に奪われてしまいました。これだけたくさん茶畑があるのに。
「夜泣石跡」です。妊婦の霊魂が移って石が泣いたという伝説の夜泣石、明治初年までここにあったのですが、東京の博覧会に出店されたあと、他の場所（現在地）に置かれてしまいました。
右に見えるのは句碑のひとつです。「小夜の中山」は勅撰集だけでも40首以上に詠み込まれました。この街道沿いには句碑として多くの和歌が紹介されています。
松尾芭蕉の句碑。
のどかな道が続きます。右に見えるベンチは「涼み松」です。かつて松尾芭蕉がここを通ったとき、松の木の下で休憩し「命なりわずかの笠の下涼み」という句を詠んだそうです。以来、ここの松を「涼み松」と呼ぶようになったそうです。
「馬頭観世音」の碑です。小夜の中山には多くの伝説が残っていますが、その一つに蛇身鳥退治の話があります。この馬頭観世音は、退治のために京の都からやってきた三位良政卿が乗ってきた愛馬を葬ったところとか。
左に粟ヶ岳を眺めながら街道を進みます。ここで下からの道が合流しています。車で「二の坂」は登れません。小夜の中山に向かう車は左下から登ってきます。
いい眺めが続きます。
道路左に白山神社。
道標が現れました。小夜の中山・久延寺まであと600m。あとひといき！
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