清水の舞台に立ち、正面を眺めると、眼下に音羽の瀧、そして茶店が並び、そのはるか先、小高いところに赤い塔が見えます。これが子安の塔です。
清水寺の拝観ルートに従い、舞台から奥の院を経て、さらに進んでいくと、急に右に折れたところで子安の塔に向かう分岐点があります。子安の塔へはここから20秒ですので迷わず進んで下さい。
なだらかな階段を登ると子安の塔が見えてきました。
2009年から修復が始まり、しばらくのあいだ拝観ができませんでした。清水の舞台からは覆いに描かれた子安の塔の絵しか見ることが出来ませんでしたが、2012年秋、やっと修復完了、公開されました。塗りたての朱は鮮やかです。
もともと子安の塔は清水寺の仁王門の門前にありました。清水門前に通じる「産寧坂(さんねいざか)」は、文字通り泰産寺・子安の塔に通じる安産祈願の道。1911年、子安の塔と泰産寺は現在地に移転してしまいましたので「産寧坂」の名前だけが残る形になってしまいました。
修復工事においては、解体・再組立という方法が取られました。すべての木材がバラバラにされ、必要に応じて修復されたのです。この際、もとの木材は出来る限り残す形が取られました。
塔のそばに立つ泰産寺、清水寺の塔頭です。子安の塔はこちらの塔です。
泰産寺は「洛陽観音霊場の第十四番札所」になっています。御朱印をいただけるのはここではなく、清水寺の納経所ですのでお間違えなく。
観音像(十一面千手千眼観音菩薩)は厨子のなか、残念ながら拝むことは出来ませんでした。
子安の塔が立つ場所は小高くなっていて、ちょうど真正面に清水の舞台を眺めることが出来ます。ああ、ぜっけいかな、ぜっけいかな。
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