「閑院宮邸跡」は、世襲四親王家(伏見宮、桂宮、有栖川宮、閑院宮)のひとつ閑院宮の遺構を展示する施設です。閑院宮邸跡へは京都御苑の南西入り口「間ノ町口」から入ります。ひどい雨でした。北を見渡すと、近衛邸方面は霞んで見えません。
「東門」です。
烏丸通に開く「椹木町」から御苑に入り北側の入り口「長屋門」から閑院宮邸の敷地に入ることもできます。
正面に見える建物が閑院宮邸です。
敷地内には「環境省京都御苑管理事務所」がありました。京都御苑は環境省により管理されているんです。この敷地内の建物はすべて統一イメージで建てられていますね。
これが閑院宮邸跡の建物。収納展示室として改装されています。入り口受付は右手です。
中庭を囲んで展示室があります。
建物南側は庭園と池があります。18世紀頃造園されたものだそうです。試掘調査で洲浜(丸い石を敷き詰めた浜)も確認されているようです。仏教庭園と違い、離宮の庭園に通じるものがありますね。
京都御苑は現在広々とした苑地になっていますが、明治維新前までは、御所の周囲を宮家や公家の邸宅が取り囲む公家屋敷町でした。
天皇の東下りと共に公家も東京に移転しますが、この閑院宮家も同様でした。のち、建物は裁判所や旧宮内省として利用されていきます。この閑院宮邸跡は公家町の面影を残す数少ない遺構です。
ここは「応接室」、格式の高い造りになっています。
これは「蟇股(かえるまた)」
京都御苑内の各所から発掘された遺物が展示されています。
改修工事がどのように行われたか解説したパネルです。建物全体をジャッキアップして床下の改修工事を行ったそうです。
収納展示は公家町関連以外に、京都御苑の歴史や自然についても解説されています。ここは環境省の管理ですので展示物は「遺物」や「自然」が中心ですが、せっかくの文化財ですから宮内庁とタイアップして公家町の「みやび」も体験できる施設にしてもらいたいものです。
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