京都非公開文化財特別公開として「冷泉家住宅」が公開されました。冷泉家は和歌の祖である藤原俊成・藤原定家を祖とし、以来800年の間、和歌に関する古書を守ってきました。また、明治維新の際にほとんどの公家は東京に移住しましたが、冷泉家は留守居役を預かり、さらに居宅が禁裏の外にあったため建物の取り壊しを免れ現在まで残っています。1790年の建造です。
門の屋根の上、左右に玄武が置かれていますが、御所の北に位置するため四神相応の制に沿って置かれたもの。
入口で拝観料 ¥800を払い、順路に従って進みます。最初は台所棟。土間には大きな「かまど」、そして土間の正面上部にはわらで作られた「しゃぐま」が飾られていました。祇園祭の長刀鉾の上部に飾られていたものです。
門より内側はすべて撮影禁止となっていましたので写真はここまでです。以前に公開されたときのネット上レポートには写真が掲載されていましたので、以前は撮影OKだったのでしょう。その後マナーの悪い写真愛好家が続出し、主催者としてはこうせざるを得なかったのでしょう。残念ですね。
続いて座敷棟。玄関と座敷の簡単な説明がありました。また座敷には江戸時代から現代までの着物が展示されていました。襖のデザインは季節感のないものになっていますが、和歌を読む時に影響を与えないためだそうです。このあと御文庫の説明。
4か所の説明をすべて聞いても拝観時間は30分ほど、もっといろんなものが展示されていることを期待していました。しかし、建物を周囲から眺めるのみで、拝観料の高さに見合っていたのかやや疑問でしたが、「拝観料=建造物維持に対する寄付」だと捉えて納得しましょう。
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