日本画家・木島櫻谷の旧邸は年に1,2回一般公開されます。場所は北野白梅町からそれほど遠くないところ、今小路通と馬神通の交差点北西です。
まず和館から見学します。各所で説明員の方が詳しく解説してくださいました。
この建物は畳敷の和室ですが、かなり趣向を凝らした造りになっていて、随所にこだわりが感じられる建材やデザインを見ることが出来ます。
もとは木島櫻谷と家族の居住スペース、生活感があふれる品々が展示してありました。品々は明治から大正期、そして昭和初期のものが多く、シニアの方であれば懐かしさを持って見学できるような品々ばかりでした。
木島櫻谷は甘党だったようで「虎屋」から頻繁にお菓子を取り寄せていたようです。これはその「通箱」。
欄間には東山三十六景があしらわrています。
これは押し入れの中。木島櫻谷が使用した画材が保存されています。
2階に上がると雛人形をはじめ、様々な人形や子どもの遊び道具(もちろん一昔前の)が陳列されていました。
御所人形や伏見人形など。
次に「洋館」へ移動します。
内部は和洋折衷、随所に木島櫻谷自身によるデザインが生かされています。現在は主に収蔵庫として使われていますが、今回は2階に与謝蕪村と伊藤若冲の絵が初公開されました。
右の掛け軸が伊藤若冲、左は与謝蕪村によるものです。
こちらの掛け軸は木島櫻谷地震によるものですがモチーフとしてネコが描かれた珍しいもの。
3つ目の建物「画室」に移動します。2階建てに見えますが実は平屋。高窓は明かり取りです。中は80畳の広間です。
木島櫻谷が弟子たちのために絵画の指導をしたところ。現在は近くの立命館大学の学生のために貸し出されています。
今回、木島櫻谷旧邸を見学できたのは偶然でした。近くの等持院を拝観中、「2016年春、初の同時公開 今小路通り」というイベントのパンフレット中に木島旧邸の特別公開の記事を見つけ、すぐに駆けつけたのでした。ラッキーでした。
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