西賀茂の正伝寺よりもさらに奥に霊源寺があります。皇室にゆかりがあるため霊源皇寺と呼ばれています。
霊源寺の背後はゴルフ場、そしてさらにその背後は五山送り火の「船形」がある船山です。門を入る前に左手の山の方を眺めるとゴルフ場の芝生が見えています。外塀は皇室にゆかりがあるため五本線。
山門左手には岩倉具視が隠棲したことを示す石柱、その左には御所であることを示す大きな石柱。当然、一般非公開です。ただ山門は開かれていて、建物内部以外は自由に拝観できるようです。
門をくぐると程よく手入れされた庭園。
通路の途中にあるお地蔵さん。
山門くぐってすぐ左手には阿弥陀石像。蓮華の周囲には十二支が彫られています。
鐘楼の跡。
左向こうに見えるのは仏殿です。1671年、御所の清涼殿の用材により建立。
御朱印を頂きたくて玄関を入ったところ、当然のことながら御朱印はないとのこと。霊源寺の由緒を事前によく調べておけば御朱印をいただけないことは容易に分かったのですが。
現在ここを管理されている90歳(2011年現在)を今年迎えたという年配女性に色々お話を伺うことが出来ました。
「境内にガラス天井の地下2階建ての「透静庵」があります。設計は建築家・安藤忠雄氏を師匠とする山口隆氏です。完成当初は一度だけ一般公開しましたが以後は一度もありません。一般公開は手間がかかって大変。前回の公開時、廊下の床が抜けてしまいました。
それから、岩倉具視にゆかりの茶室があります。ここは海外の要人が来られた時など接待するのに使っています。
京都に皇室の方が来られるとき、こちらのご住職は御所にお迎えに上がるんですよ。またここは皇室の寺ですから檀家は一軒もありません。」
玄関で記念撮影
このようなお話を楽しく伺いました。管理人さんはご高齢ながら室内、境内の清掃管理、客人の世話などすべて一人でされているとのこと。たいへんお元気です。お話を伺ったあとも「これから買い物に行ってくる。」と、自転車で出かけられました。
新聞の写真が透静庵です(読売新聞の写真を引用)。現在は便利な世の中になりましたね。Google Mapで航空写真を見れば、はっきりとガラス天井のその形を見て取ることが出来ますよ。縦長の水色の長方形がガラスの「透静庵」、中央に黒く見えているのはオープン空間です。周りは白砂。また本堂前の庭園(砂のみ)も見えています。
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