しょうざん北庭にある迎賓館「峰玉亭」が「2014年 京の夏の旅」において10年ぶりに特別公開されました。内部を詳細に写真レポートします。北庭の門で拝観受付を済まし、一歩提案に入ると、北山台杉の古木、銘木がずらり。庭園のほうは別途レポートしますね。
さて、峰玉亭に上がりますと説明員の方がついてくださり、詳細な解説が始まりました。そもそも「しょうざん」という名前は、戦後ウール織物で財をなし、こちらを開発した創業者の苗字「松山」を音読みしたものだそうです。
最初の部屋は「栖鳳の間」、竹内製風の掛け軸が架かっています。床の間の柱はナンテン、また襖絵やあじろ、柱や天井など詳しく説明がありました。しょうざんボウルが国体会場になった時、視察に見えられた皇太子殿下が休憩された部屋だそうです。
部屋から庭園の眺めが素晴らしい。硝子板が巨大。廊下の床材は大きなトチノキです。なお、建物は昭和30年代の完成ですからエアコンが完備しています。外は大変蒸し暑い一日でしたが見学中は快適でした。
見上げると、天井部分にもさまざまな竹が意匠を凝らして配置されています。全国各地から集められたものだそうです。
金張りの襖絵の部屋。鈴木松年によるものだそうです。
廊下にあった鶏の襖絵は伊藤若冲のものかもしれないそうです。タッチがそれを思わせせますが銘がないので関帝待ちですね。
次は「吉井勇の間」、商談に使われた部屋だそうです。右奥の一段高いところに商品(着物)が並び、お客の品定めをしてもらいます。
吉井勇の直筆の書がかけられています。
また、振り返ると円山応挙の襖絵。まるで美術館ですね。
廊下を置くに進んでいくと、、、
トイレでした。ここも詳しく説明がありました。床はトチノキの一枚板。中に入って振り返ると、入り口の扉の裏の意匠も凝っています(写真は撮れませんでした)。
最後に案内された部屋は一段と天井が高い部屋。床柱は最初の部屋にあったナンテンと同じ木の下半分です。窓の外に見えるのはウメノキ、坂東妻三郎邸にあったものが移植されました。
壁には富岡鉄斎の作品が。
「峰玉亭」の全景です。第二次大戦直後、モノのない時代にウールお召を開発し財を成した故・松山政雄氏が私財を投じて完成させた建物。隅から隅までこだわりを持って造り上げられました。説明していただいたところは「なるほど」と、目が行きますが、それ以外の部分もすべてうんちくがあるんでしょうね。近代建築ですが、なかなか見応えがありました。