宇治の古刹、黄檗宗・萬福寺の「総門」です。JR奈良線でも京阪宇治線でも「黄檗」駅で下車し、総門前まで徒歩5分です。いまや京都はどこに行ってもシーズンに関係なく国内外の観光客が溢れていますが、ここ萬福寺は見どころ満載の大寺院にも関わらず比較的静かに参拝できます。今日は総門からスタートし、ぐるっと境内を一周して主だった伽藍をご紹介します。
総門は見慣れた日本の寺院のものとは違います。中国風ですね。見上げると二層のシャチホコが立派。さて萬福寺ですが、1661年、中国明朝の高名な僧「隠元(いんげん)禅師」を招いて開かれました。寺の名前は中国の隠元和尚の故郷の寺と同じ名前「黄檗山萬福寺」としました。
総門を入ります。参拝路には正方形の踏み石が連なっています。突き当りを右に折れれば「三門」ですが、今回は途中で右に。池の散策路を一周しましょう。
ハスで葉でいっぱいの「放生池」です。池の対岸に「三門」が堂々とそびえます。
「三門」は大きいですね。門をくぐってすぐ右に拝観受付がありますので、拝観料を納めます。
境内の参道にはほぼ全てこのような正方形の石がつらなっています。石の間隔と歩幅が合わないと歩きにくいと思いますので、転ばぬうちに横を歩きましょう。
三門の正面は「天王殿」です。中国の寺院では玄関に当たるのだとか。金色の布袋様(弥勒菩薩)が祀られています。
天王殿を通り抜けてさらに先を見ると「大雄宝殿」が見えます。
大雄宝殿に向かう前に、天王殿から左への回廊を進むと、通路の屋根から大きな「合山鐘」が吊り下げられています。ここからさらに奥に進むと「開山堂」があります。また釣り鐘の左手にが「中和園」という庭園が造られています。
一方、天王殿の右手を眺めると2層の建物が見えますが「鐘楼」です。
鐘楼の左手には「斉堂」、ここには萬福寺の名物「開パン(かいぱん)」が吊り下げられています。開パンの奥に見えるのは御朱印授与所、そして売店があります。
叩く観光客が多かったのでしょうね。こんな注意書きが。
「大雄宝殿」、これが本堂です。ご本尊は釈迦如来坐像、また堂内の周囲には十八羅漢像が祀られています。
そして大雄宝殿の奥には「法堂」、そして左に「西方丈」右に「東方丈」がありますが、これらの建物内に入っての拝観はできませんので外観のみ見学します。
右が法堂、左が大雄宝殿。勇壮ですね。
卍型の手すりが中国風ですね。萬福寺が中国風になった理由が言い伝えられています。隠元禅師は明朝時代、福建省の高僧でした。幾度となく日本への招請を受け「3年限り」という条件で来日しました。
しかし江戸幕府の徳川家綱も隠元に帰依し、隠元のために、宇治に新たな寺院を建設する土地を与えます。そして、隠元に気に入ってもらえるようにと故郷・福建省の萬福寺に似せて宇治に中国風の寺院を建立しました。そのためかどうかわかりませんが、隠元禅師は日本に骨を埋めることになったのです。
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