一風変わった石仏をご紹介します。変わっているところはヘアースタイルです。どこにあるかといえば、京都の金戒光明寺、通称「黒谷さん」の墓地の中にあります。
最近、有名になったのでしょうか、墓地の入り口に案内板が出ていました。このアフロヘアーの仏像です。名前は「五劫思惟阿弥陀仏像」。なにも奇をてらってこのような髪型をしているわけではありません。通常、仏像の髪はちぢれっ毛ですが、こんなに長くありませんね。
この階段を登って行くと、途中の左手に「五劫思惟阿弥陀仏像」がおわします。
「五劫」とは古代インドの時間の単位。1辺が160kmの巨大な岩(巨大すぎる!)の上に、3年に一度天女が舞い降ります。そこで天女は羽衣で岩を撫でるのですが、それによって岩がすり減っていき、すべての岩がなくなってしまうまでの時間が1劫です。これも途方も無い長い時間。
それほどまでの長い時間、ブッダは思惟をこらして修行した結果、このように長い髪のアフロヘアーになったのです。「五劫」は、たいへん長い時間の例えとして用いられたのですね。
階段を上り詰めれば、日本三大文殊の一つ、黒谷さんの文殊の塔があります。
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