多くの観光客が足を休める渡月橋の北詰、橋のたもとに最も近いあたりに「琴きき橋跡」という石碑が立っています。
900年前の話になりますが、平家が全盛のころ、高倉天皇の寵愛を受けていた小督(こごう)の局が平清盛の怒りに触れ、嵯峨野の地に身を隠します。忘れられない高倉天皇は源仲国に捜索を命じます。「琴きき橋」は小督が見つかる時のエピソードで、平家物語に記され、あるいは謡曲「小督」にうたわれています。
なお、「亀山のあたりで琴の音を聞く」ところまでは平家物語に書かれているのですが橋は出てきません。どうやら後世に話を膨らませた結果出現した創作、あるいは史実なのかもしれませんが今となっては。車折神社嵐山頓宮が渡月橋の北詰を挟み、石碑とは反対側にあります。
さて、車折神社になぜ「琴きき橋」があるのでしょうか。現時点では、まだ調査不足でその理由がわかりません。なお、車折神社嵐山頓宮の西隣り、料亭小督庵の裏に「小督塚」があり、また東山清閑寺の山内に高倉天皇陵および小督の墓があります。
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