泉涌寺の塔頭、即成院の本尊「阿弥陀如来」の脇侍として二十五菩薩が祀られています。年に一度、二十五菩薩が来世から現世に来迎するさまを再現するのが「二十五菩薩お練り供養」。快晴に恵まれました。
本堂を来世、地蔵堂を現世に見立て、その間を板橋でつないであります。僧侶を先頭に山伏がホラを鳴らしながら続きます。いよいよお練り供養の始まりです。山伏の皆さんは聖護院から。
3名の雅楽隊も参加。笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)ですね。歩きながらの演奏は大変でしょう。
今年は白木の観音菩薩坐像が特別参加です。
「観音菩薩跪坐像復元プロジェクト」により東京藝術大学の協力のもと、完成したのがこの像です。今後、金箔が貼られ、彫られた平安時代の姿に戻していくそうです。
さらに稚児さんが続きますが、一般公募されたお子さんたち。付き添いの親御さんが必ず1名付きます。お面かぶって足元が見えないから、転んで板橋から落ちたら大変。
泉涌寺のお坊さんたちの列に加わります。
いよいよ菩薩の登場。先頭は地蔵菩薩です。衣装はすべて、たいへんきらびやか。今年は日光プリンセスホテルの方が地蔵菩薩役をされたそうです。
続いて観世音菩薩と大勢至菩薩。このお二方のみ独特の振り付けで歩いて行かれます。そのさまは厳粛かつ異様で、見学者の目が釘付け。
観世音菩薩。身のこなしから、舞踏を経験されている方のように見受けられます。
合唱しているのが大勢至菩薩。
幡蓋(ばんがい)を持つのは普賢菩薩。
さらに、薬王菩薩、薬上菩薩、文殊菩薩、獅子吼菩薩、陀羅尼菩薩、金剛蔵菩薩、金蔵菩薩、光明王菩薩、山海慧菩薩、華厳王菩薩、衆宝王菩薩、月光王菩薩、日照王菩薩、三昧王菩薩、定自在王菩薩、大自在王菩薩、白象王菩薩、大威徳王菩薩、無辺身菩薩と続きます。
お練りの最中は散華(さんげ)も行われ、参拝者(見学者)はこぞって争奪合戦。もちろん、入手できれば悪鬼を追い払うことができるというご利益があります。
ひとつゲットしました!
お練りの後、本堂では「極楽の舞」が行われましたが、こちらは見学できませんでした。今回、はじめての見学でしたが、事前に予想したほど境内は混み合っておらず、比較的ゆっくり極楽浄土を体験することができました。なにより好天に恵まれたのがラッキーでした。
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