安楽寺「鹿ヶ谷かぼちゃ供養」SHISHIGATANI KABOCHA-KUYO, Anrakuji Temple, Kyoto
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鹿ヶ谷かぼちゃ供養(ししがたにかぼちゃくよう)は京都鹿ヶ谷・安楽寺において土用の7月25日に行われる催事。参拝者には煮炊きされたカボチャが振る舞われ、これを食べると中風にならないという。なお、ここで振る舞われるのは「鹿ヶ谷カボチャ」というひょうたん型の品種。 |
夏の土用、7月25日は鹿ヶ谷の安楽寺で「中風まじない鹿ヶ谷かぼちゃ供養」がおこなわれます。また、春と秋の特別公開時以外は拝観できませんが、夏のこの日、一日のみ内部が公開されます。
受付時間は午後3時までです。なんとか間に合いました。中風を封じるという「鹿ヶ谷かぼちゃ」を食べるために、大変暑い中、多くの方が参拝していらっしゃいました。「中風」は、脳内出血などによりおこる半身不随の後遺症を指します。
本堂内で、安楽寺の由緒、松虫、鈴虫姫の話、住蓮上人と安楽上人の話、そしてこの日だけ虫干しを兼ねて公開される掛け軸類の説明を聞いた後、となりの棟で用意された「鹿ヶ谷かぼちゃ供養」の接待席に移動しました。
接待所はこんな感じ。長い座卓がずらっと並べられていて、好きな場所に座ると係の人がカボチャを運んできてくれます。
テーブルの所々には「鹿ヶ谷かぼちゃ」が置かれていて、手にとって眺めることが出来ます。高さが30cmくらいの大きさですのでかなり重い。
カボチャとお茶が運ばれてきました。「引換券」を係の人に渡します。カボチャの大きさは10cmでしょうか。私達がふだん食べるカボチャとは品種が違って、ホクホクした感じはなく、ネットリ感があります。
縁側に座って頂いている方もいらっしゃいます。
本堂の壇上から参道を眺めます。左手は書院ですが、その向こう、高い木がある下のあたりに、松虫、鈴虫姫、そして住蓮上人と安楽上人のお墓がありますのでお参りします。
少し石段を登った所に松虫鈴虫のお墓。
後鳥羽上皇の女官、松虫姫と鈴虫姫が宮中から忍び出て出家した時、松虫姫は19歳、鈴虫姫は17歳だったそうです。1206年のこと。
出家したことを知った後鳥羽上皇は激怒し、住蓮上人と安楽上人を打ち首、また師匠である法然上人を讃岐国へ流罪、親鸞上人を越後国へ流罪とします。これを「建永の法難」とよび歴史書に刻まれています。
安楽寺の門前にはかぼちゃ供養の日に「かね正」さんによる京野菜の販売があります。かね正さんは、安楽寺から委託され鹿ヶ谷カボチャを栽培し納品されているそうです。
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・安楽寺(京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町21
・TEL 075-771-5360
・アクセス 市バス「錦林車庫前」下車 徒歩約10分
・カボチャ供養 開催日時 7月25日 9:00-15:00