京都、初夏の風物誌、千年間続いている鞍馬の「竹伐り会式」を写真でご紹介します。毎年、6月20日、開始時間の午後2時前、本殿前は大勢の見物客で埋め尽くされています。
法螺貝の響きとともに「竹伐り会式」の開始です。
参道の階段を登ってきた竹伐りの一同(大惣法師仲間と呼びます)、両脇に稚児を伴った先頭の人(呼び名がわかりません)、縄を真剣で切って結界の中に入ります。入場する間は雅楽隊により本殿の前でずっと雅楽が演奏されています。
続いて僧兵姿の竹伐りの面々が入場。真剣を肩に担ぎ、腰にはナンテンの枝を差しています。災難を吉事に転ずるというおまじない。また、大蛇退治の毒を消すという意味もあるそうです。
本殿前の壇上に、丹波座(左)と近江座(右)に分かれて並び、いよいよ開始の儀式が始まります。(式が始まる直前に到着したため、撮影のための良い席が確保できませんでしたので、観客の一番後ろから望遠撮影。そのため手前に「頭」がたくさん写っています。ご容赦を。)
稚児による「七度半の御使」です。大声で以下を唱えます。
導師に向かって 「竹伐りの神事めでとう候(そうろう)」
両座に向かって 「竹伐りの神事めでとう候」
導師に向かって 「近江・丹波の竹、見事に候」
丹波座に向かって 「近江座の竹、見事に候」
近江座に向かって 「丹波座の竹、見事に候」
導師に向かって 「竹ならしあげ候」
両座に向かって 「竹ならしあげ候え」
この言葉により「竹ならし」が始まります。「竹伐り会式」の最後に行われる両座による竹切り勝負のための「準備」です。勝負の公正を期すため、竹を切りそろえておきます。
本殿の両脇に準備してあった青竹の紐を切って中央に運びます。
「竹ならし」が始まります。真剣を持った人はかならず剣を高く保持します。裸の真剣を持っているよ、近づいたら危ないよ、ということを周りにアピールするのでしょう。
思い切り剣を振り下ろして竹を切りますが、1回で切れることはまれ、最も早く切った人は2回、通常は4,5回でした。(報道の人たちの頭がじゃまになって青竹は写っていません。失礼。)
このあと、本殿の中では神事が行われますが、壇上では雅楽に合わせて「舞楽」が始まります。今年は2名の舞、1名で舞う年もあります。衣装、曲名も毎年変わります。
各座の8人が2人1組となって4mの青竹を切っていく「勝負伐り」です。導師がヒオウギを揚げるのを合図に、一斉に切り始めます。切り終えた人は大きな掛け声とともに本坊まで走っていきます。今年は丹波座が勝利しました。
式次第がすべて無事に終了。舞楽を舞ったお二人は女性でした。
皆さん退場です。この時も雅楽の演奏です。
すべてが終わって本殿の壇上が開放されると、見物の人たちが一斉に上がって竹の切りくずを拾います。持ち帰ると厄除けになるそうですよ。
1時間15分ほどの式次第でした。見物を終えた皆さん、帰路につきます。今年はケーブルカーが運休していましたので、山門まで徒歩の列が続きます。
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