下鴨神社の台所「大炊殿」(おおいどの)をご紹介します。見学入口は御手洗社の奥です。見学料を払い「うらの回廊」を進みます。下鴨神社の本社の真うしろを過ぎて少し進めば大炊殿が見えてきます。
開けたところは「葵の庭」、上賀茂下鴨神社のシンボルであるフタバアオイを探しましたが見つかりませんでした。左の建物は「御井」(みい)、重要文化財に指定されている井戸です。神饌(しんせん、お供え物)の調理に使う水はここで汲み上げます。
「水ごしらへ場」 若水神事をはじめとした祭事が行われる場所との説明があります。また埋まっている大きな岩は、磐座の伝承があり、古代には神事に使われていたようです。
右手前の建物が「大炊殿」、1624年の建造で重要文化財です。主に穀類を調理する場所だそうです。ほかに魚介類を調理する贄殿、そして酒殿がありましたが先の戦争(1470)で兵火によって消失しました。のち、大炊殿のみ再建されました。
こちらが「大炊殿」の入口。
大きなおくどさん(かまど)。その奥は調理場、大きなまな板が置かれていますね。様々な調理道具が展示してあります。
手前の板の間は「中の間」、「奥の間」は畳の間になっています。
「奥の間」もとは盛り付けあるいは配膳の間。現在は展示室として、配膳棚には季節ごとの祭事のパネル写真や調理道具などが展示されています。
「唐車」(からぐるま)、華麗な牛車ですね。屋根が唐破風になっているので唐車と呼ばれています。上皇、皇后、東宮、親王、摂政・関白などが使われたもの、と説明書きがありました。
奥の建物は展示棟です。川端康成など現代の文豪が下鴨神社を自作品で取り上げたり、あるいは美術品の題材となったりしたものなどが提示してあります。
さらに奥は偽装馬車の車庫です。この馬車は葵祭で実際に使用されるものです。以上、大炊殿の全容をご紹介しましたが、「うらの回廊」も含め、見どころたくさんですので、本殿にお参りした後、時間的余裕があれば見学することをおすすめします。
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