午後の訪問が多い真如堂ですが、今日はめずらしく午前中、それも早い時間に伺いました。今年の夏は例年になく暑かったのですが、ここにきてやっと秋の気配。空気も爽やかになってきました。
紅葉が始まると観光客が境内を埋め尽くします。でもあの状態は年に一度のお祭のようなものです。真如堂はだれもいない境内が通常状態です。いまや世界でもっとも人気の高い観光都市京都であるにもかかわらず、なぜこんな素晴らしい境内が静かなのでしょうか。(答えは下に)
境内を探せばヒガンバナがポツポツと咲き始めていました。
初秋の真如堂といえばスイフヨウですね。赤門付近に咲きそろっていました。
三重塔のそばにそびえるハナノキ。紅葉の一番乗り、色づき始めています。ハナノキは早春に真っ赤な花をつけて紅くなり、秋にも紅葉で紅くなります。年に2回赤くなる木です。カエデ科の落葉高木。
いつもは境内をぐるっと回って失礼するのですが、年に一度は庭園を見学します。本堂正面から上がってまずご本尊にお参り。お線香を供えます。
本堂から庭園のある書院への渡り廊下。
書院の入り口右手にある手水鉢。
「涅槃の庭」です。作庭時期は比較的新しく1988年。東山三十六峯・大文字山が借景となっています。庭石は涅槃を模して配置されています。
五山送り火の「大文字」は間近です。送り火の日は、点火されると火床ひとつひとつがはっきり見えるほど近い。
「随縁の庭」です。重森千青氏による2010年の作庭です。氏はあの有名な重森三玲氏のお孫さん、代表作として「松尾大社瑞翔殿庭園」があります。奥の建物は三井家の廟所。
(まだ一度も拝観したことはありませんが)茶室もあります。
本道に戻りました。東側の濡れ縁です。
こちらは南側の濡れ縁。絵になる風景ですね。
西側の濡れ縁。
黒谷さんに向かう参道脇にハギがたくさん植えてあります。満開です。
さて、真如堂の境内が静かな理由。あくまで理由の一つですが、公共交通機関からかなりの距離があることが挙げられます。最寄りのバス停からは10〜15分、しかも上り坂ですので疲れます。
バス停から真如堂への3ルート。「真如堂前」からのルートが最短距離。一部、山道と階段があります。「錦林車庫前」からのルートは途中に日吉神社があります。「京大正門前」からのルートは最長距離ですが、途中に吉田神社や宗忠神社を拝観できます。
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