「出世稲荷が洛中から大原へ移転」というニュースが流れたのは2012年のことです。二条城の西側、千本通に面して400年以上の歴史を刻んできた著名な神社でも、近年資金難で社屋を維持することが難しくなったとのこと。その後は順調に移転工事が進み、現在地に新出世稲荷としてデビューしたのは2012年7月のこと。
千本通にあった頃、御朱印を求めて参拝したのですが、あいにく社務所が不在で御朱印がもらえませんでした。今回そのリベンジです。新出世稲荷の場所は、旧「魚山参道」の途中です。三千院界隈から南に5分ほどのところ。
参道を登っていきますと旧出世稲荷にあった石柱や鳥居が現れます。
登りきったところが新しい境内です。
赤い玉垣で囲まれた、新築の「奥の宮」です。
屋根付きの、小さな小さな社殿。
奥の宮の左手に目をやると、旧地から移転してきたとみられる境内末社のひとつ「大神宮」があります。その前には古い鳥居。
100年ほど前、千本通は映画興行の街として繁栄したのだそうです。その頃から映画関係者からの信仰が厚く、日本映画の祖「牧野省三」も鳥居を寄進したのだとか。この鳥居もそれらのひとつ。鳥居の裏面を見ると、右には「日本活動写真株式会社・関西撮影所」(現 日活)、左には「大正八年」「牧野省三・尾上松之助」が読み取れました。
参道を上から眺めました。坂の途中の建物が実は新しい出世稲荷です。一般的な住宅ですが、このなかに社殿と御神体があります。また社務所は玄関の左側に。
今回は無事、御朱印をいただくことが出来ました。また堂本印象による「雲龍図」も健在でした。新出世稲荷からは大原の里が見渡せ、たいへん眺めの良い場所です。
なお、千本通にあった頃の(旧)出世稲荷神社の写真はこちら。ご参考まで。
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