「東本願寺 阿弥陀堂・屋根修復工事」

2012年8月25日 撮影
Goei-do, Higashi-Honganji Temple, Kyoto - August 25, 2012
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東本願寺(ひがしほんがんじ)、浄土真宗「真宗大谷派」の本山、本尊は阿弥陀如来。通称「お東さん」。1603年、家康により本願寺が分立され、教如を法主とする本願寺教団は東本願寺となった。江戸時代はたびたび火災に合い消失、現在の堂宇は明治期の建造。
・京都市下京区烏丸通七条上ル常葉町754 map
・TEL. 075-371-9181
・アクセス JR「京都駅」下車徒歩7分
・境内自由

東本願寺の阿弥陀堂修復現場の見学会を新聞で見つけ、さっそく行って来ました。御影堂の修復工事はすでに終了、現在は阿弥陀堂の屋根の修復が始まったところです。御影堂門は現在修復中、阿弥陀堂門から入門します。

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阿弥陀堂は巨大な素屋根に覆われています。御影堂の修復工事のために建設されたものですが、御影堂の工事が終了したあと、再利用するため、7月16日、阿弥陀堂まで毎分50センチで引っ張ってきたとか。「スライド工法」と呼ばれています。

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予約不可の見学会でしたので、早めの現地集合、見学者募集枠五十名に入ることができました。札を首からぶら下げます。

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説明の方は東本願寺修復工事を担当しておられる職員さん。見学者が全員集合したところで見学内容を事前説明。(袈裟を着ていらっしゃいます。汗を流しなから約1時間強の熱弁でした。)

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見学コースは3Fですが、これは2Fです。地上のように見えますが屋根の高さに床が作られています。

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3Fに登っていよいよ見学スタート。説明員の方が、工事予算、工事の発注方式、工事監理の特徴などを説明されました。西本願寺は世界遺産でしたので国からの補助がたくさん出ましたが、東本願寺は国の指定建築物ではないので工事補助金は出ず、門徒の方たちの寄進が中心になっているそうです。

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立派な見学コースが作られていますが、これは寄進をされた門徒の方々に見ていただくことを目的として造られたもの。

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阿弥陀堂は重量6,000トン、そのうち屋根瓦が3,000トン。カワラは全部で10万8千枚だそうです。

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今回の修復は屋根回りが中心です。瓦の補修、雨漏り対策、散水パイプの取り付け、などが目的です。

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瓦が全て取り除かれています。柱に掛かる荷重を軽減するために、瓦の下に覆われていた土はもう使わないとのこと。

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降ろされた瓦は境内に積まれています。

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瓦の説明がありました。

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屋根先端の瓦には「本願寺」と書かれていますが、傾いていますね。これは、瓦を屋根に取り付けた時文字が垂直になるよう、予め傾きを計算して瓦を製作したのだとか。

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瓦ごとに文字の傾きが違っています。なお、文字を書いたのは石川丈山だそうです。

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素屋根は巨大です。高さ51m。10階建てのビルと同じ高さ。

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最初に建設された時、木材の運搬用に使われた木のソリが展示されていました。奥のガラスケースの中は「毛綱」、巨大な木材を曳くために、特別に作られた綱。切れないように門信徒が提供した髪の毛よ麻が編みこまれています。大きいものは、太さ40cm、長さ110m、重量1tあったそうです。

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山の上から巨大な材木をこのソリに乗せ、人力で運んだそうです。重機のなかった時代ですから。運搬の途中に事故や遭難も多数発生したようです。

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左はすでに修復が終了した御影堂、右が現在修復中の阿弥陀堂の素屋根。今回は、偶然新聞で見学者募集記事を見つけて参加しました。次回の修復はおそらく何100年かあと。大変貴重な体験でした。

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