浄土真宗本願寺派の総本山・西本願寺の「お西さんを知ろう」イベントに参加しました。若いお坊さんが御影堂や阿弥陀堂などを説明してくださるもので、所要時間は約30分、1日4回(午前2回、午後2回)実施されています。指定時間に「総合案内所」に集合、境内ツアースタートです。
最初の説明は「手水舎」です。なんと重要文化財に指定されています。1758年の建造。
神社の手水舎とは少し趣が異なります。それは用途が違うから。むかし、まだ道路が舗装されていなかったころ、長旅のあと西本願寺に到着、いよいよ本堂にお参りという前に、手を洗い、そして本堂の床を汚さないように足も洗ったのだそうです。そのため水盤がたいへん大きく造られ、またその周りに足の洗い場もあります。屋根の形は御影堂と同じ。
次の説明は「御影堂」、お坊さんに連れられて参加者のみなさん移動します。今日のこの時間帯の参加者は10名余りでした。
親鸞聖人が祀られている御影堂は、大修復工事が完了したあと何度か参拝していますので、豪華絢爛な内陣にはもう驚きませんが、国宝指定のこの建物は何度見ても立派です。西本願寺は観光寺院ではありませんが、ほとんどの寺宝が公開されていて、閉ざされた寺院ではありませんので、もっと見学者があってもいいと思うのですが。
お坊さんによる一般的な説明のあと、いくつかトリビア的なお話がありました。中央の奥の高いところ、暗くて見えませんが親鸞聖人像が祀られています。
西本願寺の本堂は隣の阿弥陀堂、ここにご本尊の阿弥陀像が祀られていますが、親鸞聖人がご本尊を見下す高さではないか、との心配は無用とのこと。御影堂と比較して阿弥陀堂の建物は一段高く造られていて、その証拠に御影堂から牧田道に繋がる渡り廊下は登りのスロープになっている、とのことでした。
もうひとつは、親鸞聖人の前に備えられたご飯の量です。中央、円柱形に盛りつけられた白いもの、これがご飯です。なんと9合のご飯を固めたものだそうですが、これを見ることができるのは午前のみ、当番のお坊さんが毎朝これを作ってお供えするのだとか。(9合という数字は覚え違いかもしれません。びっくりするくらいの量だったことは確かです。)
次に縁側に出て、床の木材の説明がありました。雨風に当たる濡れ縁は長い年月で傷んできますが、特にフシのある部分は痛みが早く、大工さんはそれを繰り抜いて詰め物をします。その詰め物の形がいろいろあって面白い。大工さんの遊び心です。この写真はモミジ、そして少し離れたところにシカ。花札ですね。
別の場所には「一富士二鷹三茄子」がありました。
次に「阿弥陀堂」に移動します。先の説明の通り渡り廊下は「登り」になっています。
御影堂に比べればやや小さな建物ですが、それでも285畳、一般の寺院の本堂と比較すれば巨大です。
中央に阿弥陀如来像が祀られています。
こちらのご飯は左右に2つ、こぶりです。
たった30分のツアーですが、これまで知らなかったトリビア的な面白い話を聞かせて頂きました。
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