嵯峨薬師寺は清涼寺の境内にあって、正面本堂の左手です。もとは、清涼寺とは独立した寺院ですが、現在は清涼寺の塔頭です。
かつてこの付近には「福生寺」というお寺がありました。平安初期からあった寺で、小野篁が冥土との行き来において、行くときは東山の六道珍皇寺の井戸から、還ってくるときは、福正寺の井戸から、と言われていました。このため六道珍皇寺は「「死の六道」、福正寺は「生(しょう)の六道」と呼ばれています。
住宅地の開発の際にその井戸が発見され、現在は埋め戻されていますが、井戸を使ってこの世とあの世を行き来したという話は別にして、井戸は存在したようです。
福正寺には「生六道地蔵菩薩」(地蔵菩薩半跏像、京都市指定文化財)が祀られていましたが、小野篁の作だと伝わっています。現在、境内には生六道地蔵菩薩の分身として三地蔵尊(瑠璃光地蔵、生六道地蔵菩薩の分身、夕霧地蔵)が祀られています。
書院に入り御朱印をお願いしましたが、あいにく法要中とのことでいただけませんでした。
本堂です。
こちらも本堂。清涼寺の境内から眺めたところ。
嵯峨薬師寺の向かいに立つ「狂言堂」、毎年4月に演じられる無言劇の念仏狂言は有名ですね。
「嵯峨薬師寺」データ
・右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46 地図はこちら>
・TEL 075-861-2868
・アクセス 京福電車嵐山線「嵐山」下車徒歩15分
・境内自由、内部非公開
・駐車場、なし