【八ヶ岳】(やつがたけ) 山梨県と長野県の県境を南北に伸びる山塊。夏沢峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けられる。西側、東側共に裾野が広大。 |
行程
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硫黄岳 登山記
八ヶ岳「オーレン小屋」をベースにして硫黄岳をピストン登山しました。お昼を回ってからの出発だったので、当初は夏沢峠まで行って爆裂火口の見物を、と思っていたのですが、峠に着くと欲が出て硫黄岳に登り始めました。さて、頂上まで行けるかどうか、、、
<桜平駐車場からオーレン小屋へ>
朝早く自宅を車で出発、桜平駐車場(中)には9時半に到着しましたが、すでに満車です。標高はおよそ1,800m。オーレン小屋が冬季閉鎖となる前の、最後の営業日となる三連休とあって多くの登山者が押し寄せたのでしょう。
なんとか入口付近の路肩に停めることが出来ました。もし平日であれば治水工事の大型コンクリートミキサー車が通るため路肩駐車はできなかったでしょう。重いザック(あとで反省)を背負って、さあ、出発です。
10分ほどで登山口のゲートに到着。一般車はこのゲートから奥に入ることが出来ません。この道は左にも分岐していて、そちらには桜平駐車場(上)があります。駐車スペースが狭いため、よほど朝早く来ないと停めれないと思います。
登山道はずっと沢沿いです。夏沢鉱泉までは簡易舗装されていて、歩きやすい。ただ夏沢鉱泉手前の数100mは先の台風による土石流で道路が流され、ガレ道になっていました。
また、渓流の治水工事も桜平と夏沢鉱泉の間の何か所かで行われていました。平日であれば工事車両やコンクリートミキサー車の往来が激しかったことでしょう。
夏沢鉱泉に到着です。ここで大休止。25分も休憩してしまいました(汗)。夏沢鉱泉は食事メニューやカフェメニューが豊富でそそられるものがありましたが、ここはがまん。先を急ぎます(休憩がたっぷり過ぎて、急いでない?)
少し進んだところにオーレン小屋の「水力発電小屋」があります。小屋で使用する電力の100%をまかなっています。もう少し登ったところに取水小屋があって、ここまで太いパイプで水を送っています。
オーレン小屋が近いな、と思われるあたりで長靴スタイルのボッカさんに追い抜かれ「今日はいい天気になりましたね!」と声をかけてくださいました。後日、NHKの「にっぽん百名山スペシャル、秋色!こんな山旅がしたい」 というドキュメンタリー番組にオーレン小屋が紹介されましたが、そこにこのボッカさんが登場、小屋のオーナーの息子さんでした。
オーレン小屋に到着! 小屋の前からは硫黄岳が望めるんですね! 小屋の前はテント泊の人たちが屋外テーブルで食事中、たいへん賑わっていました。桜平駐車場を出発してここまでなんと135分(休憩25分含む)もかかってしまいました。コースタイムは85分のところですが、、、。
さっそく小屋にチェックイン、幸運にも個室が確保できました。部屋に入ってこれから登るための装備をサブザックに詰めます。メインザックは部屋の残し、昼食を済ませ、さあ、夏沢峠に向けて出発!
<オーレン小屋から夏沢峠へ>
小屋から夏沢峠まで勾配はそれほどでもないのですが、かなりガレた登山路です。歩きにくい、、、 コースタイム(25分)を少々オーバーし33分かかってしまいました。
夏沢峠に到着。(道中はずっと樹林帯、途中の写真はありません) 峠にはヒュッテ夏沢(冬季休業中)と山彦荘(本日が最終営業日)がありました。また公衆トイレもあります。硫黄岳の眺めもよく絶好の休憩場所です。
抜けるような青空をバックに、硫黄岳の爆裂火口の上に月が見えましたので超ズーム! この光景は見逃せません。
<夏沢峠から硫黄岳山頂へ>
さてここで悩みます。現在時刻は13時40分。ここから硫黄岳山頂まで往復するとコースタイムは約2時間ですが、私達のペースではもう少し時間がかかります。さらにオーレン小屋まで下る時間を加えると小屋着は約3時間後、これだと樹林帯の中では暗くなってしまいます。小屋の食事開始時間にもギリギリ。
結論として「行けるところまで行く」という戦略をとることにしました。硫黄岳の山頂には以前に登ったことがあるのでこだわりはありません。スマホのタイマーを2時30分にセットし、アラームが鳴ったらそこで引き返すことにしました。
峠から少し登ったところで東側が激しく崩落しています。迂回路が作られていました。
しばらく樹林の中の道を登ります。
30分ほど登ったところで森林限界に達し、視界がひらけました。箕冠山のむこうに天狗岳が頭をのぞかせました。広大な稜線をさわやかウォーキング。
視界がひらけると撮りたくなるズーム写真。奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳の勇姿。奥穂の左に小さな2つの耳。ジャンダルムとロバの耳ですね。この位置、高さからだとはっきり写ルンです。
そして明日登る予定の東天狗岳。
西天狗岳。手前に見える樹林は箕冠山です。
登山道脇に黒い溶岩が目立ってきました。やはり火山なんですね。
カーブを曲がると山頂が見えました!
ここからの登りは広大なガレ場、ペンキのマークもないしルートが分かりづらい。ガスで覆われて視界がない日など、ルート取りが大変そう。
そのためか硫黄岳山頂付近のガレ場にはたくさんのケルンが造られ、登山者の便宜を図っています。上に向かって眺めるとたくさん並んでいますね。
勝手に下から順に「第1ケルン」「第2ケルン」とよびます。ここで突然セットしておいたアラームが鳴りました。ここで下山ですか、、。「残念、残念」と唱えますが、爆裂火口を覗き込まずに下山するわけには行きません。第2ケルンまで登り、絶壁の縁まで行って火口を覗き込むことにしました。
ケルンからルートを少しそれて火口の縁に向かいます。数10mほどで下を見渡せるところに出ました。傾斜は50度ほどありそうですので近づきすぎないようにしながら写真を取りまくりました。(標高2,665m)
大昔、火山の爆発によって吹き飛んだのでしょうか。上部はほぼ垂直に崩落、途中には崩落したガレキ層、その下がまた垂直。数日前に降った雪がまだ残っています。一方、上部はテーブル状に平ら、特異な山容ですね。これを間近に見に来たのです!
登ってきた方角を眺めました。硫黄岳の広大な北尾根のむこうに、樹林の山、箕冠山。そのうしろに根石岳と東西の天狗岳。西天狗岳のうしろの左右には霞む蓼科山と北横岳、そのうしろには北アルプスの稜線!
崖っぷちで、満足げに下を覗き込む。。。
縁に近づくとアブナイヨー。。。
<下山>
爆裂火口にすっかり長居をしてしまいました。大急ぎで暗くならないうちに下山します。小屋までほぼノンストップ。
16時10分、オーレン小屋に帰着です。硫黄岳の肩からちょうど60分でした。ぴったりコースタイム。なんとか陽のあるうちに小屋に戻れてよかった。お疲れ様でした!
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