国宝に指定された茶室は日本に3つ、その一つが建仁寺の塔頭・正伝院(現 正伝永源院)にあった「如庵」です。織田信長の弟、織田有楽斎により、1618年、正伝院が再興された時に建てられました。1908年に東京の三井家本邸に移されたあと、1972年、現在地である名鉄犬山ホテル敷地内に移築されました。現在は京都にはないのです。正伝永源院の庭の一角には復元された如庵が立っています。
本物はこちら、名鉄犬山ホテルの敷地内にある「有楽苑」という庭園内にあります。
庭園内には有楽斎ゆかりの建物がいくつかありますが、如庵もその一つ。庭園の中央に正伝院の書院(重要文化財)と如庵(国宝)が京都・建仁寺から移設されています。なぜここに移設されるに至ったかの経緯は不明ですが。
写真、正面は正伝院書院、如庵はその右手に渡り廊下でつながっています。
これが如庵です。
こちらは以前に正伝永源院で撮影した、復元された如庵 です。
さて、如庵ですが、茶室としては二畳半台目の向切り、柿(こけら)葺き入母屋造りです。躙口(にじるぐち)は建物右側にあって見えません。その名前「如庵」ですが日本語ではありませんでした。有楽斎はクリスチャンで名前は「Joan」、これに由来しているとか。驚きの事実です。
残念ながら内部の撮影はできないため写真でご紹介できません。また、小窓から中を覗いてみましたが、暗くてよく見えませんでした。
古い暦が貼ってある腰壁、竹を詰め打ちにした「有楽窓」が特徴です。
こちらは有楽斎が隠居に使った正伝院書院。1618年に建てられました。
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