東福寺の光明院は、広い東福寺の境内から南門を出て数分南に下ったところです。以前は観光タクシーの運転手さんが隠れた名庭「波心庭」を案内する寺院として知られていましたが、今や一般観光客にも認知度が上がり、多くの観光客が訪問するようになりました。
でも桜の咲く前の三月は庭に色がなくて訪れる人は多くありません。
ところで光明院は山内の拝観作法が拝観者の良心に委ねられた寺院です。入り口に拝観受付はありません。自主的に拝観料を大きな竹筒に納めます。おしゃべりせず静かに庭園を眺めることのできる人だけ入ってください。騒がしい人は入山しないように、他の方々の迷惑ですので。
本堂から庭を眺めるとこんな額縁に。重森三玲の作庭で「波心庭」と命名されています。もちろん、先に御本尊様にお参りして、「ゆっくりお庭を見せてくださいね。」とお願いしてから庭を眺めましょうね。
書院の内部です。丸と四角のふたつの窓があります。
丸窓から波心庭の眺めが特に素晴らしい。障子の開き加減は自分で調節してください。
波心庭の元になった言葉「波心」の額がかかげられていました。「雲は嶺上に生ずることなく、月は波心に落つること有り」という禅の言葉が由来しています。
この季節は苔も休眠状態、茶色っぽくなっています。暖かい日差しが続く4月になれば青々としてくるのですが。
まだ春になりきらないこの光景をしっかり目に焼き付けて、「目に鮮やかな紅葉の波心庭」を見てください。ものすごい落差。
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