前懸に旧約聖書の一場面を飾る函谷鉾の会所は四条烏丸交差点を西に入ってすぐ、四条通の北側です。
会所と鉾は橋でつながっています。宵山期間中の見学者は橋をわたって函谷鉾を見学出来ます。鉾の上に舞妓さんがチラッと見えますね。運が良ければこんなこともあります。
会所内はウナギの寝床、多くの懸装品が展示されています。
函谷鉾の前懸は旧約聖書創世紀の説話「イサクに水を供するリベカ」を題材にしたタペストリー。16世紀のベルギー製。国の重要文化財に指定されています。1633年、長崎平戸の松浦藩を通じて徳川家光に送られたものではないか、ということです。右は原作、左な複製。
重要美術品保護のため三年をかけて複製が2006年完成し、現在はこれが鉾を飾っています。江戸時代の人たちはこんな異国の風物を見てどのように思ったことでしょうか。
鉾から会所を眺めたところ。
鉾の上から西側を眺めました。月鉾が小さく見えています。
今度は東側を眺めました。四条烏丸交差点、そして長刀鉾の鉾先が左端に少しだけ見えています。宵山期間中の昼間は車の通行がありますが、夕方から歩行者天国になります。
見送りは弘法大師の筆と伝えられる紺地金泥「金剛界礼懺文」を模織した西陣織。天保10年の製作です。
旧前懸は17世紀後半、インド・ムガル朝「八星メダリオン」です。オランダの東インド会社を経由してもたらされたものとか。
近年制作された皆川泰蔵作「モンサンミッシェル」
現在はいろいろ事情があって、生稚児は長刀鉾のみ、他は稚児人形ですが、函谷鉾が最初に稚児人形をのせたとか。
このエリアは長刀鉾、函谷鉾、月鉾、菊水鉾、鶏鉾などの大型の鉾が集中しており、混雑する地域ですので、鉾をゆっくり見学したい方は午前中から午後の早い時間までがよいかと思います。
|