祇園祭「鯉山」会所撮影 2012年7月13日と2011年7月16日
Koiyama, Gion Festival, Kyoto - July, 2012 & 2011
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祇園祭(ぎおんまつり)鯉山(こいやま) 竜門の滝を登るコイがテーマの山。前掛や見送りが16世紀のベルギー製タペストリーであることが判明して一躍注目を浴びた。山建ては7月12日。 |
鯉山の会所は四条通から室町通を上がり、蛸薬師通を過ぎて右側です。
さあ、さっそく会所に入ってみましょう。
やや広めの畳敷きの会所、後ろには有名になったタペストリーが展示されています。
鯉山のシンボル「鯉」の彫り物は赤い鳥居のうしろ。滝を登る姿を表しています。滝を登り切ったコイは竜になります。「登竜門」の語源になった故事ですね。
この会所で一番の見所はこれらタペストリーですね。
「トロイア王プリアモスと王妃カペーの祈り」です。TSEAというマークがあったことから、ベルギーのブリュッセルで、1580年から1620年ごろの間にニケイズ・アエルツという職工によって作られた5枚セットであることがわかったのです。17世紀、支倉常長がローマ法王パウロ5世から伊達政宗への贈り物として5枚を持ち帰りました。2枚は加賀藩へ、3枚は京都の天寧寺に。この3枚は売却されましたが、うちの1枚がこれ。
もとは大きなタペストリーですが、山を飾るため大小9つに裁断され加工されました。この中央部分は上の写真の右下につながります。左右の龍はあとで付けられたもの。(写真は復元品)
トロイ戦争を描いたホメロスの「イーリアス」を題材にした5枚セットのタペストリーは日本にしか残っておらず、重要文化財に指定されています。(こちらの写真はオリジナル)
山鉾の会所巡りでは、このような貴重な美術品を間近で見ることができ、巡行見物とはまた違った楽しみがあります。
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