長刀鉾は山鉾の中でも一番人気、会所は四条通烏丸東入ル北側です。ちまきを購入すれば会所には無料で入場出来ます。
長刀鉾は重量11トン、長刀のてっぺんまでの高さはなんと25m。また、車輪の直径は2mもあります。巨大ですね。山鉾巡行の時は囃子方をはじめ約50名が乗りこみます。
懸装品の展示スペースは会所内の2階です。エアコンが効いていて、うだるような季節の宵山ですが中に入るとホッとします。
長刀鉾には橋でつながっていますので鉾の見学もできます。
会所からかけられた橋を渡って長刀鉾に渡りました! 上から下を見下ろすとかなりの高度感。ギシギシと音を立てながら巡行する時、ここに乗ってお囃子をする皆さん、怖くないのでしょうか。
鉾の内部天井は色鮮やか、真っ赤です! 周囲は星座が描かれています。
組み立てるときに間違えないように、すべての木材部品には番号が付けられてます。古いものは墨で書かれた漢数字、新しいものは数字ラベルで。
破風裏に飾られた三条小鍛治像。
こちらは舞楽「厭舞」を舞う鉾を持った舞人二人。厄を取り除きます。
現在、長刀鉾に登れるのは男性だけ。縁起をかついでのことでしょうが、いずれ将来は女性にも解禁されることでしょう。
会所の二階に展示されていた貴重な美術品をご紹介します。
明治時代に使用された「稚児」の衣装です。2011年、40年ぶりに新調されました。これは新調前のものでしょうか。
いろんなものがありますね。
古い形の長刀鉾が描かれている古図です。
2010年、メトロポリタン美術館に出展された長刀鉾の胴掛け、謎の絨毯です。
この絨毯の由来を解明する特集番組がNHKで放映されましたね。14世紀、フビライカンの時代に制作された世界に2つしかない貴重な絨毯だとか。中国文化(中央の梅の図)とイスラム文化(周囲のイスラム模様はクーフィー体という古いタイプの書体に似せてある)が融合しています。
こちらもその一つ。また、材料である毛はどんあ動物のものか? DNA鑑定により「チベットカモシカ」かもしれない、ということになっていますが、データにはノイズが多く正確なところは今でも謎です。
長刀鉾の天井には星座が描かれています。西洋の星座ではなく日本のそれですから聞いたことのない名前ばかり。また、周囲の手すり(高欄)には動物をかたどった金具が取り付けられています。天保七年、菱川清春が下絵を描き柏屋善七が制作したものだそうです。その動物(三十六禽)がユニーク。タヌキ、トラ、ヒョウ、ムジナ、ウサギ、キツネ、オウリュウ、リュウ、ミズチ、ミミズ、ヘビ、ナメクジ、クジカ(シカの仲間)、ウマ、シカ、キリン、ヒツジ、ヤギ、サル、カラス、ニワトリ、キジ、ヤマイヌ、イヌ、オオカミ、イノシシ、ブタ、コウモリ、ネズミ、ツバメ、スイギュウ、ウシ、ジ(?)。聞いたことのない生物の名前、想像上の動物、そしてナメクジまで。
これがナメクジ。
こんなふうに、手すり部分に取り付けられています。スイギュウ。
見送裾房金具「鉄線花と虫尽し」です。様々な虫が描かれています。カマキリ。
チョウ。
トンボ、右はコオロギでしょうか。
バッタ。
キリギリス?
セミとハチ
タマムシと大きなハチ
バッタとコガネムシ
なお、長刀鉾のちまきはかなり人気があるので遅い時間だと売り切れの可能性が高い。早めの購入をおすすめ。
こちらが長刀鉾の厄除けちまき
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