西本願寺は京都でも最大級の寺院ですが、また多くの文化財を所蔵していることでも有名です。今回、聞法会館の宿泊と国宝の紹介がセットになった宿泊プラン「冬の宿泊特別プラン・西本願寺の国宝をたずねて」に参加しました。なかでも国宝の多さでは京都屈指ですね。建造物では「御影堂」「阿弥陀堂」「白書院と対面所」「北能舞台」「黒書院」「披雲閣」「唐門」の7つです。重要文化財は数知れず、ですね。(写真は、聞法会館から眺めた西本願寺の伽藍)
宿泊の翌朝、西本願寺のかたが引率して国宝巡りのスタートです。短時間で白書院を除くすべての国宝を回るのですが、説明がなかなかうまい。ユーモアを交えながら要領よく説明して下さいます。
聞法会館をスタートし、最初に阿弥陀堂、次に御影堂の説明がありました。阿弥陀堂と御影堂については「お西さんを知ろう」に詳しく紹介していますのでご覧ください。
阿弥陀堂の見学が終わり、いよいよ一般公開されていない未知のエリアへ。阿弥陀堂に直結して新たに建造された「龍虎殿」(参拝志納部)を経由して書院に入ります。
写真はその外観です。全ての見学を終えたあとに撮影しました。内部はすべて撮影禁止、少してもその雰囲気を味わっていただけるように、見学前に全員に配布されたパンフレットの写真を使って説明します。
龍虎殿から説明員の方に連れられて書院見学に出発です。いきなり書院玄関に出ます。さらに奥に進むと「南能舞台」ですが、廊下沿いにトラの襖絵があって、「本物の寅を見たことがないひとが描いたもの。ほらヒョウも混ざっているでしょう。」と説明されました。見学者一同、「うんうん」と納得。廊下から「南能舞台」を眺めるとちょうど逆光、庇の下はまぶしくてよく見えません。ところが能舞台正面の「対面所・鴻の間」に座ってながめると舞台の様子がはっきり見えます。一同再び「うんうん」。
「対面所・鴻の間」は西本願寺門主が門徒たちと対面する大広間です。柱と柱の間隔は奥に行くほど狭くなっていて、遠近感を強調し、より広く見えるように設計されています。古来から日本建築に見られる手法。また組み立て式で能舞台も設置できるようになっています。
「鴻の間」の名前の由来は、門主が座る一段高くなった所との境目にある欄間に彫られたコウノトリ。ここで説明員の方がクイズ、「コウノトリは何羽いるでしょう?」 全員で欄間をしばらく眺めます。(答えは、今後ここを見学されるための方のために、ヒミツです。)
次に向かったのが「雁の間」、欄間を透かして隣の「菊の間」の「月」を遠景として眺められるように工夫されています。ここでも一同「うんうん」と納得。
続いて国宝「白書院」です。説明員の方は前半のエリアでかなり頑張って説明され、後半に入ると残り時間が少なくなりかなり飛ばし気味。こちらの国宝も少し言葉少なめでした。
続いて国宝の「北能舞台」、舞台の回りには鴨川の丸い石がびっしり敷き詰められています。これは海を表しているのだそうです。
つぎにコーナーを曲がって長い廊下に出ます。廊下といいつつ畳が敷かれており「東狭屋の間」と呼ばれています。こちらの天井には書物がびっしり描かれていますが、どれも乱雑に置かれていますが、ネズミたちが乱したもの。そのネズミ退治のためにネコが中央に描かれています。「八方睨みの猫」(写真左)。
「虎渓の庭」がこの廊下に面しています。こちらは国の名勝に指定。御影堂と書院の間に位置します。非常にダイナミックな構成の枯山水です。ソテツの木も立派。ここまでで屋内の見学は終了。「龍虎殿」に戻って靴を履き屋外に出ます。次は国宝「唐門」です。
南側に向かうと先ほどまで見学した書院を外から眺めることができます。書院の玄関です。
国宝「唐門」は屋外にあり、龍谷大学側からも、また西本願寺の境内からも自由に眺めることができます。
唐門は別名「日暮門」とも呼ばれ、眺めていると日が暮れてしまう」、というところから名付けられました。また西本願寺の中で一番古い建物です。
透かし彫りには想像上の動物「麒麟(キリン)」があります。のち、キリンビールのロゴにもなった姿ですね。
最後に国宝「披雲閣」に向かいます。
ここまで来たところで大幅に予定時間超過。簡単な説明を聞き、遠くから眺めて西本願寺国宝見学ツアーは終了となりました。短時間ですが黒書院を除き西本願寺のすべての国宝建築物を見ることができるツアー付き宿泊プランでした。聞法会館の宿泊プランとして時々募集がありますので興味ある方は参加されてはいかがでしょうか。
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