四条通に面した神社はそれほど多くありません。東端の八坂神社、西端の松尾大社は別にして、通りに面した数少ない神社のひとつをご紹介します。場所は寺町通アーケード「新京極」入り口の真向かいです。八坂神社の境外末社「冠者殿社」がここにあるのです。現在の八坂神社御旅所の右側です。
かつては烏丸通の大政所御旅所がある場所ににあったそうですが、秀吉の命により現在地に移されたそうです。小さい神社ながら歴史は長いのです。右に鳥居が見えますが、その奥にある小さな祠が見えます。これが冠者殿社です。左にたくさんの提灯が並んでいるのは「旧御旅所」です。
こちらが御旅所です。手狭になったせいか祇園祭の際に実際に御旅所になるのは、更に左の京都土産処「Otabi Kyoto おたびきょうと」です。
冠者殿社に祀られているのは素戔嗚尊ですが、同時に土佐坊昌俊も祀られており「誓文払い」の由来となっています。彼は頼朝の命により義経を討つために京に来ます。しかし捕らえられ、京に来た目的は熊野詣である、旨の「誓文」(神仏への誓い文)を書きます。その後義経を襲いますが失敗し六条河原で斬首、この時「忠義のために嘘をつく者を救いたい」と願をかけます。
商売人が商品を売るためにお客さんを欺いたり、芸舞妓がご贔屓さんに嘘をついたりすることの「罪滅ぼし」として、商売人は「誓文払い」としての大売り出し(全国に広まった歳末大売り出しの起源!)を、芸舞妓は「無言詣」を行います。
「無言詣」とは祇園祭の17日から24日までの7日間、四条大橋から御旅所まで無言でお参りをすると願い事か叶うというものです。
毎年10月20日には八坂神社参道商店街が主催による「大福引」が開催されます。これも「誓文払い」のひとつですね。
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