剱岳(つるぎだけ)、標高2,999m、北アルプスの立山連峰に位置する。山塊すべてが険しい岩稜と雪渓からなり、日本アルプスにおいては峻険な山の一つ。「岩と雪の殿堂」とも呼ばれる。日本百名山に選定。 |
行程
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「剱岳と裏剱」写真集 その2
日本を代表する「岩と雪の殿堂」剱岳、はじめての登山です。しかも単独行。これはその登山記です。登ったのは1979年、登山記を記すのは2020年、その間40年以上経過し、記憶もあやふや、写真も変色してしまっていますが、思い出せる限り思い出して、人生記録としてなんとかまとめました。
<剱沢小屋から剱岳山頂へ>
朝、内蔵助山荘を出発し、別山、剣御前小屋を経由して剱沢小屋に入りました。ザックは小屋に置かせてもらいアタックザックを背負って剱岳山頂を目指します。
剱岳を目指す登山者にとって、山頂に至るまでいくつか目標ポイントがあります。通過順に、一服剱(2618m)、前剱(2813m)、平蔵の頭(2845m)、平蔵のコル(2830m)、カニのタテバイ。出発点から剱岳の本峰は見えません。剱岳のように見えるのは一服剱と前剱。
左に突き出す岩のピークが一服剱です。剱沢小屋からおよそ1時間、一服剱を越えるところまではハイキング気分で歩けます。一服剱のうしろに前剱が頭をのぞかせていますね。
前剱のピークに立ったところで一服剱を振り返りました。アーチ状に広がるうしろの稜線は、左が別山北峰、右が剣御前、そして中央の鞍部が別山乗越です。
前剱を通過すると眼前に剱本峰が現れます。そしてルートは岩稜を越えたり、あるいはトラバースする、両手足を駆使しなければ進めないような難ルートに変わります。見渡す限り、岩、岩、岩。ゾクゾクしますね!
平蔵のコルに到着しました。ちょっとした平地になっていますので、しばし気を休めることが出来ます。今歩いてきた岩稜を振り返ります。
左が前剱、中央が平蔵の頭。ちょっとしたジャンダルムですね。どちらもピークを経由するルートが作られていますのでスリル感を十分味わえます。なお、ここから先は剣の山頂まで写真はありません。カニのタテバイを登る前に1枚撮っておけばよかった。
<剱岳山頂>
ほぼコースタイムで無事山頂を踏むことが出来ました。うしろに見えるのは後立山連峰。ここまでずっと快晴でしたが、ガスが湧き始めました。
近景も写るようにもう一枚。うしろに八ツ峰です。明日はこれを眺めるため仙人池に登ります。
室堂をバックに、さらに記念撮影! 山頂の祠と一緒に撮影しなかったことを後悔(涙)。
立山三山を望遠で捉えました。槍の穂先も写っています。(かなり画質が悪くてご容赦)
北側を眺めると、下界は完全に雲海です。日本海は見えません。さて、山頂からの景観を存分に楽しんだのち下山を開始します。
<下山>
剱岳山頂からの下りルートには有名な「カニのヨコバイ」があります。(「カニのタテバイ」は上り専用です) 剱岳山頂から平蔵のコルに至るまでは剱岳登山のハイライト、もっともスリル感が味わえ、かつ、岩稜登攀の粋となっています。
「カニのヨコバイ」に辿り着く前にも鎖場の連続です。2名の先行者がありましたので、この方たちをモデルに撮影させていただきました。人間が写ってなければ何の変哲もない岩場、人がいて初めてその急峻さを実感できると思いますので。
鎖場が始まりました。慎重に降りていきます。下に見えるのは平蔵谷雪渓の最上部です。
まだ「カニのヨコバイ」ではありませんよ。すでにスリル満点。下方の岩稜は手前から順に、平蔵の頭、前剱、一服剱。
ついに「カニのヨコバイ」です。ほぼ垂直に近い岩盤を水平にトラバースします。身長のない人だと思いきり足を広げないと届きません。足場もよく見えないし、狭い。よって「難所中の難所」です。その割には先行のご両名、スイスイと進んでいきます(汗)。
平蔵のコルまで降りてきました。ここまでくれば一安心。眼前に切り立つ「平蔵の頭」と左に広がる「平蔵谷雪渓」(写真)を眺めながら小休止です。
振り返れば、ヒヤヒヤしながら今降りてきた荒々しい岩肌。そして、その手前、ちょっとした平地に立つ「平蔵の避難小屋」、その右側には「カニのタテバイ」の垂直岩壁を、唖然としながら見上げる登山者たち。(2020年現在、避難小屋は撤去されています)
一服剱の手前、「武蔵コル」のあたりで大休止した際、荷物をすべて下ろしておやつをしたことを思い出しました。この時、地面に置いたカメラを首にかけるのを忘れた! 大慌てで休憩場所に戻りました。そして、無事、カメラを発見しました。もし無くなっていたら、、、ここに掲載しているほとんどの写真は失われていたのです。取りに戻るためのロスタイムは1時間弱でした。
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