前回の薬師寺参拝は東塔の修復に入る前でした。久しぶりの訪問になります。東塔の修復はまさに佳境に入っているようです。
拝観順路に従って東回廊を進みます。
最初の拝観は「東院堂」です。薬師寺の中で東塔に次ぐ古い建物です。当初は養老年間(717-724)に建立されましたが火災により焼失、1285年に再建されました。
屋根の頂部も軒も微妙に反っているのがわかるでしょうか。完全な直線はありません。古い建物はみんなそうですね。京町家も。
国宝「聖観世音菩薩」がご本尊です。
南の中門から金堂を眺めます。
堂内で行なわれる法話は聞いて大変面白く、薬師寺の名物となっていますが、残念ながら本日は行なわれていませんでした。
西塔です。
東塔です。2019年に解体修理が完了する予定です。
解体して発見された傷んだところの写真が掲示してありました。痛むとはいえ、1000年というタイムスパンでの話。「木」の寿命はたいへん長いものです。
1300年前の釘。鉄は錆びて、最後は朽ちてなくなってしまいます。
金堂の左に東塔。
金堂の右に西塔です。
そして現在建立中の「食堂(じきどう)」、2017年に完成の予定です。鉄骨作りですが木材でカバーし、極力当初の外観を再現するようです。完成後は400名収容する法要やイベントの会場とするそうです。
薬師寺境内とは道路を挟んで、北側の玄奘三蔵院伽藍です。薬師寺は法相宗、玄奘三蔵はその祖です。ここには玄奘の頂骨が祀られています。
1991年に完成した「玄奘三蔵院」です。
玄奘三蔵は西遊記の三蔵法師。孫悟空のお話とは別に、インドまで旅をして仏教の教義を学んだのは史実です。その距離は実に3万km、17年かけての旅です。途方も無いですね。経典を中国まで持ち帰り、余生は経典の漢訳に費やしたそうです。あの有名な「般若心経」も玄奘が訳した経典のひとつです。
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