7月24日、祇園祭の後祭・山鉾巡行が予定通り9時半にスタートしました。今年は例年になく長い梅雨で、まだ梅雨明け宣言が出ていませんが今日は日差しもあって30度以上の真夏日。猛烈な暑さの中、今年は四条通のお旅所付近で見学しましたので、巡行の様子を写真でご紹介します。今回は通りの南北からカメラ2台で撮影、完璧を目指しましたが、さあ、いかがでしょうか。
3番めにやってきたのは鯉山です。「登竜門・コイの滝のぼり」が由来の舁き山。
山の上には跳ね回る巨大なコイの像が祀られていますが、道路脇から眺めるのはむつかしいですね。そばでじっくり眺めたい方は宵山の会所でどうぞ。
鯉山といえば一番の話題は歴史的懸装品ですね。こちらも鯉山の会所でしっかり見学することができます。
16世紀にベルギーで制作されたタペストリーです。ホメロスのトロイア戦記が描かれています。
これらタペストリーの素性がわかったのは最近のことで、その貴重さから重要文化財に指定されています。巡行に使われるのは複製品で、本物は会所で見ることができます。江戸時代も同じ形で巡行が行われいていたはずで、当時の見物人はこの絵を見てどう思ったことでしょうね。
4番目にやってきたのは八幡山です。会所がある町内にあった八幡宮がテーマです。
見どころは赤い鳥居のうえにとまった2羽の鳩、左甚五郎作だそうです巡航中は一瞬で通り過ぎてしまいますので、じっくりと鳩の彫り物を見学したい方は前日までに八幡山の会所を訪問してください。
胴掛(山の側面を飾る懸装品)は「聖獣三態像胴掛幕」の一枚です。麒麟が描かれています。オリジナルは1740年に製作されました。収蔵庫の保存され、巡行時に使用されるのは複製されたもの。
見送り(山のうしろを飾る懸装品)はおよそ250年前に製作された「童の見送り、日輪双凰の帽額附き」(1785年作)です。
5番目は黒主山。謡曲「志賀」がテーマ、大伴黒主が満開の桜を仰ぎながめています。
大伴黒主は平安時代の歌人、六歌仙の一人です。短歌は古今和歌集などに収録されています。
巡航中は大伴黒主像をじっくり眺めることができません。黒主山の会所に行けば間近で眺めることができます。
胴懸は草花胡蝶文様のタペストリー、またその上の水引は雲龍文様です。
見送は牡丹鳳凰文様。
6番は南観音山、人気の曳山です。御旅所の前で役員の皆さん全員お参り。
大型の曳山ですので、動かすためのスタッフの人数は軽く100名を超えます。
しゃがんで車輪の下に楔のような木を入れようとしているのは車方さん。進行方向を微調整します。写真では左に向かって動いていますが、車輪直前の2名は後ろ向き。この方たちは車輪止めを引きずりながら終始後ろ向きに歩いているのです。疲れますね。いざというときに即座に車止めを車輪にはさむ、重要な役割です。
右後方から眺めた南観音山の懸装品。胴掛の上(下水引といいます)には天女が描かれていますが、加山又造氏の原画による「飛天奏楽」です。
左後方から。あいかわらず危なっかしい座り方の囃子方さん。
うしろを飾る(見送り)綴織は加山又造氏の原画による「龍王渡海図」です。
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