爺ヶ岳(じいがたけ)、標高2,670m、北アルプス、後立山連峰の南に位置し3峰からなる。良く整備された柏原新道は人気の登山ルート。 |
行程
|
登山記 初日
<柏原新道を種池山荘へ>
新宿発の夜行バスで扇沢へ。未明に到着です。昼間は賑わう扇沢ターミナルも夜明け前の朝5時に人影はありません。ここで針ノ木岳に向かう登山者と爺ヶ岳に向かう登山者は別れます。針ノ木岳へはターミナル駅舎の左側を登っていきます。一方、爺ヶ岳登山口は来た道を10分ほど戻ります。(ひで君レポート、zaucats代筆)
扇沢橋のたもとが柏原新道の入り口です。登山者はほとんどいませんね。前日の天気予報では秋雨前線が本州中央を横断滞留し、悪天の予報だったのですが、今日になってみると予報はハズレてラッキー!、青空も見えています。予報を信じて登山をキャンセルした人が多かったそうです(あとで山小屋情報)。
さあ、装備を整えて登山開始、種池山荘まではコースタイム3時間30分の登りです。最初の1時間は急勾配のためゆっくり登ります!
柏原新道は比較的新しく開かれた登山道です。種池山荘の運営管理をしていた柏原正泰氏によって1970年ごろ切り開かれた登山道で、その後も整備が行き届き、歩きやすい登山道と定評があります。このあたりは「モミジ坂」と呼ばれ秋の紅葉が美しいそうです。
登山開始から45分、登るうちに徐々に明るくなり「八ツ見ベンチ」が現れました。木々の間からはるか大町の町並みと、その向こうに八ヶ岳が望めるため「八ツ見」だそうですが。
ここまで樹林帯の登りでしたが、少しづつ開けてきました。「ベンチ」を過ぎると稜線も見えます。針ノ木岳とスバリ岳ですね。モルゲンロートがきれい。
少し登ったところに注意の看板が。「この先80mのケルンまでの間と、ケルンを過ぎてからの50m先までの間は、崖の上を歩くので足元に要注意!」
なるほど、低木には覆われていますが、足場の悪い急斜面のトラバースですから「足元注意!」ですね。
登山開始からちょうど1時間弱、ケルンの手前で視界がひらけました。扇沢ターミナルの建物と駐車場、眼下には今登ってきた柏原新道の入口にあった砂防堤、そして奥には朝日の当たる針ノ木岳(2,821m)とスバリ岳(2,752m)が見えました! 右に連なる稜線の先はなだらかな裾広がりの赤沢岳(2,678m)。針ノ木雪渓の残雪はわずかですね。
こちらが「ケルン」です。ここから先の登山道は傾斜が緩やかになり、歩きやすくなりますのでペースアップですね。
赤沢岳の右に続く稜線です、左から、鳴沢岳(2,641m)、鞍部に新越山荘、中央は岩小屋沢岳(2,630m)。
登山開始から約2時間、「石畳」です。この登山路を作られた柏原さんの苦労の跡が見て取れます。
石畳を過ぎると登山路が水平になりました。「水平道」です。展望も良し!
ここもしっかり登山路が作られています。これだけの資材運搬はたいへんだったことでしょう。
登山開始から2時間半。「石ベンチ」を過ぎ、「アザミ沢」を過ぎるとガレた沢のトラバースです。通称「ガラバ」。8月の遅い時期まで雪渓が残り、7月だと雪渓トラバースになるところ。柏原新道の中では唯一歩きにくいところです。
落石しないように、そっと歩きます。通行注意です。
ガレバを抜けると快調な歩き!
なだらかな登山路の後に現れる「鉄砲坂」、単調で急勾配の石畳です。さあ、最後のひと頑張り。
コバイケイソウのお花畑に囲まれた「鉄砲坂」を登りきったところが種池山荘です! 岩小屋沢岳と爺ヶ岳との鞍部稜線上に建っています。
種池山荘! 大正時代に石室が作られたのが始まり。昭和に入って木造小屋になりましたが何度か倒壊と建造を繰り返しました。現在の建物は1968年に建造され1994年に改築されたものです。収容人数は200名です。なお、山荘のスタッフのみなさんが柏原新道のメンテナンスをされています。
<稜線からの展望>
種池山荘の前からの眺望です。まず南の眺め。正面に針ノ木岳。左に蓮華岳、右に赤沢岳。後立山(飛騨山脈)の稜線が赤沢岳までつながって見えています。
針ノ木岳の左右鞍部にちらっと小さく見えている山(矢印)が気になりますね。
針ノ木岳の左側鞍部をズーム。水晶岳です。針ノ木峠の鞍部にピッタリはまっていますね。
針ノ木岳の右側鞍部をズーム。薬師岳(右端)と東南に伸びる薬師岳の尾根です。北アルプス最奥部の山の一つです。
稜線に出てはじめて立山が見えるようになります。剱岳はまだ見えませんが、爺ヶ岳に登っている間は終始、立山剣の大絶景が見えるはずです。楽しみ!
登山ランキング
|
Copyright (C) 2019 ZauCats, All Rights Reserved.