涅槃会とは釈迦の入滅(にゅうめつ)の日に行われる法要です。涅槃はNirvanaの訳語、桃源郷あるいは釈迦が亡くなった意味で使われます。
涅槃会では「涅槃図」をかかげ、旧暦2月15日(現在の3月15日)に行われます。
京都では真如堂、泉涌寺、東福寺の涅槃会が有名。今回、この三カ所をすべて見てきました。
真如堂の涅槃図は現在修復中とのことで、小さな涅槃図が架けられていましたが、大きなものよりも300年ほど古いそうで、今年限りの公開です。作者を見ると「明兆」でした。ネコはちゃんと描かれています。
泉涌寺では仏殿に架けられていましたが大きすぎて天井から床面まで「コ」の字形に折り曲げてあります。縦15.1m、横7.3m、日本最大と言われています。
最後は東福寺です。ここは通常閉じられている本堂内に架けられています。さすがに巨大な建物、折り曲げずに吊り下げることが出来ます。縦12m、横6.5mだそうです。(上の写真)この作者も「明兆」1408年の作です。もちろんかわいいネコが描かれています。(中の写真)
東福寺は最近のネコブームを知ってのことか、このネコを前面に押し出して宣伝しています。花御供(はなくそ)を買うとネコの絵入りの袋に入れてくれました。
東福寺は拝観料は無料ですし、甘酒の接待もあって良心的ですね。
それぞれのところで花供租(はなくそ)を購入しました。(下の写真) 宛てられた漢字が三カ所とも違っていておもしろい。
泉涌寺と東福寺のものは普通の「あられ」ですが、真如堂の花供租は凝った作り方です。堅くなった鏡餅を細かく砕いて黒豆、白豆といっしょにいって砂糖醤油でまぶしたもの。軽くてサクサクしていてとってもおいしい。(下の写真の中央にある透明ぶくろ)